2011年11月2日水曜日

サフランの1年


アトリエ・フューシャに夷隅市のR工房さんから藁つとサフランが届きました。

サフランは美しい色と香り、そして高価なスパイスとしてお馴染みです。その球根を5つ、美しい藁つとに編みこんだものが藁つとサフランです。お部屋の中で球根と花を楽しみながら、さらにスパイスを収穫しようという欲張りなものですが、その形は自然と人の手の技が融合してできた完成された美しさで、是非みなさんにご覧頂きたい品です。

R工房さんに伺ったサフランの1年です。

-花を待つ-
サフランの球根はそれ自体、ピンクがかったシルバーの美しいものです。それを水もやらずにおいておきます。10月後半から11月、寒くなると花が咲き始めます。紫色に濃い橙色のめしべが鮮やかな上品で美しい花です。花の香りも芳しく、めしべとはまた違った香りがします。室内が暖かすぎるとなかなか咲きませんので、やや涼しい場所に置くと早く花が咲くでしょう。

-花のお手入れ-
スパイスとして良いサフランを採取したい方は1つ目の花が咲いたら摘み取ると、2つ目の花が良い状態で咲くそうです。咲いた花をそのままにしておくと、せっかくのめしべが受粉して花粉で一杯になってしまいます。摘み取った際に花をチュッと吸うと美味しい蜜も味わえるとか。花を長く楽しみたい方も、花が萎れてきたら摘み取ってください。

-スパイスの採取-
スパイスとしてのサフランは露や雨に弱いため、室内での採取が賢明です。摘み取っためしべはペーパータオルなどに並べて挟み乾かします。贅沢に生のまま使うのも藁つとサフランの醍醐味でしょう。より優しい香りがするそうです。長期保存には乾燥剤をいれた瓶で。

-スパイスを楽しむ-
サフランは水溶性です。一つまみにお湯を注いで十分に色だししてから使います。サフランライス、パエリア、ブイヤベースなどなど。カフェ・フューシャでは今年の冬は久しぶりにスープ・ド・ポワソンを作ろうと意気込んでいます。もともと胃腸を整え、精神を鎮静させる効能を持つといわれるサフラン。サフランティーなど贅沢なものも楽しんでしまいましょう。とにかくケチケチ使わないことが美味しく、香りも楽しむ秘訣です。

-花のおわり-
年内には花が咲き終わるでしょう。10から15センチ間隔で土に埋めてあげましょう。高さは球根の倍が基本。あまり浅くないほうがよいそうです。

-球根と再会-
3月末から4月。地上の葉が枯れてきたら、埋めた場所がわからなくなる前に掘り起こしましょう。2年に1度は株分けをして増やすことができるそうです。掘り起こした球根は紙袋などにいれておいておきます。また10月に花芽が出てくるというから不思議です。もちろん花として楽しみたい方はそのまま植えておいても数年楽しめるでしょう。花芽を待つ間、猫を飼っている方は花芽が美味しいらしいので要注意です。


藁つとサフランとの出会いは3年程前。紫色の花に目がなく、ちょうどドバイ土産のサフランが切れたところだったこともあり即購入しました。そして今年、ご紹介で偶然巡り会うことができました。

「可愛がって置いてくれるところを探していた」とおっしゃるR工房の佐野夫妻。水も土もなく花を咲かせるサフランはとても丈夫な植物なようですが、花の時期、よい状態のサフランを収穫するにはやはり手をかけてあげることが必要なのです。
自然の美しさと美味しいものを愛する人の家で可愛がっていただけますように。

photo: 花を待つ、藁つとサフラン。アトリエ・フューシャにて

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