2010年5月23日日曜日

2010年6月は休業となります

6月は都合によりお店をお休みさせて頂きます。これほど長い期間お店を閉じるのは初めてのことなので、心配もありますが、7月から始まる2度目のバー営業に向けての充電期間にしたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします

2010年5月19日水曜日

器、それぞれ

国立新美術館のルーシー・リー展へ。シンプル、硬質、緊張感を醸し出す薄さ、品、清楚、そして形や色や質感からイメージされるフェミニンな要素。私の好きな器にある共通点を多く持つ彼女の作品。
時代を追って展示される回顧展を見ると、そんな彼女の作品にも変遷があったことがわかり、私の好きな作品の特長が円熟期といわれる60代からの作品だとわかり、ズシリとくる。
展示で流されていた彼女の工房での打ち解けた雰囲気のインタビューもよかった。80歳ごろの彼女が制作する様や、電気釜に頭を突っ込むようにして焼成した作品を取り出す様子。強くて自由で柔らかい女性なのだと思う。超訳「ニーチェの言葉」にあるように仕事は背骨。いくつになっても打ち込める仕事がある人は幸せだ。
**********************

松本のちきりや工藝のお祖母さんも、同じく背骨となる仕事を持つ女性だろう。先日の長野行きで訪れた際に手に入れたのは韓国の窯で焼かれた蓋付の茶碗。たっぷりとしたサイズと、素朴だけれど品のある地色、ほっこりとした挿絵。寒くなる季節の焙じ茶などにどうだろう。この茶碗を作った職人も85歳位まで制作していたそうだが、今はもう亡くなり、同じ窯でもこの地色が出せる人はいなくなってしまったとか。大事に使いたい。
**********************

私を煎茶道に導いてくれたチョン・ゴニさんの作品展を4月に訪れた。彼の作品は素朴で力強いけれど、シンプルで品のある質感。チョンさんそのもののように思う。花輪皿を2枚連れて帰る。素朴な焼き菓子やモンブランなど、マットな質感のお菓子をのせたい。
Posted by Picasa

2010年5月12日水曜日

2010年5月 長野行き


Rue de Vin 小山さんのところで苗木の植え付けボランティアに参加してきました。今年の植え付けは既に終了しているだろう、と言われていたので、あきらめ温泉旅行モードでしたが、前日になって急遽「まだ苗木余ってます。存分にやって下さい」の連絡が。。。
当日のボランティア参加者は数名のみ、ということで非力な私達にはなかなかの肉体労働となりました。品種はソーヴィニヨン・ブラン。粘土質の荒地が耕してあり、そこに枯れ木のような苗木を1本づつ植えつけてゆきます。葡萄栽培の大変さ、植物の生命力の強さを少しは体感できたでしょうか。
とはいえ、お楽しみはランチタイム。今回は日本料理教室を主催する大好きなSさんのお弁当があり、お日様が燦燦と輝き、たんぽぽの咲き乱れる葡萄畑でのピクニックは最高でした。5人でワイン4本空けました!ワイナリーの建設も進んでいます。収穫の時期が楽しみです。
    **********************************

そして、翌日は白馬 風の谷ファームのロバートさんを訪ねました。昨年訪れたオーベルジュ トロイメライで見た、山羊と共に草原を走るロバートさんの写真がとても印象的で。是非これをやりたい、と。
放牧の時間には間に合いませんでしたが、ちょうどこの時期は生まれたての赤ちゃん山羊が沢山いて、ご好意で山羊小屋に入れてもらうと、お乳をもらおうと赤ちゃん山羊達が吸い付いてくるのでした。この無垢な寝顔を見てください。ラファエロの宗教画から抜け出したような風情で、なんだか少し涙がでます。昨日生まれたばかりという山羊に頬ずりして、すっかり癒されました。そして帰りには今年初めての出来立てシェーブルを分けていただきました。チーズの中で山羊が一番好きな私。大事に大事にいただきました。フレッシュで優しい、こちらまで無垢な気持ちを思い出すようなチーズでした。

その後は松本に立ち寄り、ちきりや工藝店のおばあさんに再会して。つれて帰った民芸品についてはまたの機会に。
    **********************************

今年は長野でも天候不順で苗木の植え付けも遅れ勝ちだったり、林檎の花芽が霜にやられたり、山羊達が食べる草がまだ生えていなかったり。大きい影響がでなければよいのですが。
今回もワインを愛する人、民芸品を愛する人に再会し、山羊を愛する人に新たに出会えて、また長野が愛おしい場所になりました。