2010年8月9日月曜日

器趣味 旅で出会う器

好きになるとキリがないのが器。日本の食卓では色々な形の器を使いますから、ついついサイズや形が違うから、と購入してしまいます。
特に集めているのが青磁や白磁の貫入の入った器。モノによっては非常に脆い場合もありますが、独特の味わいが増していくのが楽しみです。
アジアを旅行する際には、カジュアルな青磁がお手頃に求められるので、いつも大きいトランクで出かけます。
6月に旅したベトナム北部では、焼き物の村といわれるバッチャン村へ寄るのを楽しみにしていました。一般的な絵付のバッチャン焼きでなく、シンプルな青磁や白磁がねらい目です。
時間の隙間で寄ったバッチャン村。最近は土が枯渇していて、別の場所から土を取り寄せているそうで、鋳込みとガス窯で大量生産されています。観光地化され、お店の売り子さん達も要領よくふっかけてくるのが慣れない日本人にはストレスです。とはいえ、昔から使われている薪窯なども残っていて、ゆっくり自分の足で村を廻ることができたら、発見がありそうです。

時間のない中、ふっかけ価格で青磁の大皿、白磁の椀、白磁小皿を大人買いしましたが、透明感のないマットな青磁や工業的な白磁には納得いかないまま、その後の旅程でもずっとモヤモヤとしていました。
結局、その後ベトナム中部のフエで宿泊したピルグリミッジヴィレッジの閑散としたショップで、埃をかぶっていた白磁に遭遇。貫入がすでにグレーがかっていて、ぼってりと厚い田舎風の器にとてもよく似合っています。器としての機能は高いものではありませんが、旅したベトナムののんびりした雰囲気そのものの器です。こちらはトランクの重さを考えつつ、少なめに購入。

重いトランクを紐解いて、無事な姿を確認すると、モヤモヤしていた気持ちも吹き飛んで、それはすでに「私の器」。とても愛おしいものになっています。
青磁の大皿はメカジキのカレーに、ぽってりした白磁は小皿料理に時々登場しております。


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